「健康は命より大事」 – 実践編 –

先日「キャリアが気になる、35歳以降が気になるエンジニアのみなさんに43歳現役エンジニアからたったひとつのアドバイス」という記事で「健康は命より大事」という自説を披露したら、結構バズってしまいました。5分で書いた雑な記事がはてブ300を超えてしまい、だいぶ申し訳ない気持ちになっていたところ、続編というか実践編というか、自分で書いといてなにやっとるのか、という事件があったのでご紹介します。

これだけは覚えて帰ってください

原因不明で3日寝込んだら大学病院に行きましょう。

もうすこしこまかい学び

自宅で寝込むのは3日まで

インフルエンザですら、3日も寝込むと症状に何らかの改善が見られます。3日寝込んでも原因不明かつ症状に改善が見られなければ、大学病院の外来を受診しましょう。

町医者のハシゴは無駄

体調が悪い時まず受診するのは内科の開業医、いわゆる「町医者」が多いでしょう。これらの医院を複数受診しても、得られる診断や治療はほとんど同じです。最初の受診で原因が確定しなかったり、処方された薬で症状が改善しなければ、大学病院の外来を受診しましょう。

総合病院は町医者の集合体

救急相談センターに緊急受け入れを行う総合病院を紹介されたので電話したところ、看護師さん曰く。

「うちに緊急で来てもらっても、(町医者で処方されたのと)同じ解熱剤を飲んで寝ていただくだけですよ」

これがさっきから「大学病院」を強調してる理由です。

以下いきさつ

ここからは日記的なものなので特に頑張って読む必要ありません。「自宅で寝込むのは3日まで」「町医者のハシゴは無駄」「総合病院は町医者の集合体」だけ覚えて帰ってください。

不調の芽(8/31 – 9/2)

どうも頭痛がする。検温すると37度台前半。普段めったに頭痛は起きないのでおかしいな、と思いつつ、熱があるという事実で「なんだ風邪か」と勝手に判断。オフィスと同じビルに入居している内科を受診。抗生物質と咳止め、解熱剤の処方を受ける。

自宅で寝込む・前半(9/3 – 9/5)

土日寝込めば治るだろ、と勝手に決めつけ、ひたすら寝る。この時点で食欲は完全に失われ、ウイダーinゼリーとポカリが主な栄養源になる。熱は38度台後半まで上がり、体温の上昇に伴って頭痛もひどくなる。冷やすとラクなのでひたすらアイスノンにすがる。

結局症状は改善せず、月曜も自宅で寝込む。

自宅で寝込む・後半(9/6 – 9/8)

まる3日寝込んでも症状が改善しないため、近所の内科を受診。見た目から具合悪さがにじみ出ていたのか、処置室の隅に寝かせてもらえた。血液検査、溶連菌検査、胸部レントゲンと検査を受け、点滴してもらう。結局原因は不明のまま、「まずは熱を下げないと」と、いままで頓服で出ていた解熱剤を毎食後飲むように処方される。別の種類の抗生物質も出た。

解熱剤を飲むと38度台前半まで下がるのだが、きっちり5時間で切れてリバウンドする、というのを繰り返す。9/7の夜にはついに40度の大台に到達し、さすがにこれはあかんと「救急相談センター」(#7119)に電話。「無理せず救急搬送も依頼してくださいね」と前置きされつつ、近隣の緊急受け入れ病院を3つ紹介された。

ところが、ひとつは昔から近隣では「スリザリンは嫌」レベルの評判のところ。ひとつはまったく電話が繋がらず。最後のひとつにやっとつながった電話をたらい回しにされたり保留のままぶちっと切られたりしつつ、最終的にたどり着いた看護師さんのひとことが、冒頭の「うちに緊急で来てもらっても、(町医者で処方されたのと)同じ解熱剤を飲んで寝ていただくだけですよ」につながる、というわけ。

このやりとりがなかったら救急車を呼んでいたかもしれない…が、呼んでいたら総合病院に担ぎ込まれて解熱剤飲まされて寝かされていたかもしれないことを考えると、どっちがよかったのかはわからない。ただ、すでに自分では冷静で合理的な判断を下せてはいない。

入院・前期(9/8 – 9/10)

9/8朝、通勤時間帯に電車で大学病院へ。この時間は渋滞してるのでタクシーは無謀と知っているのだ。しかし電車に乗るのも無謀だった感がある。

大学病院の外来に紹介状もなしで飛び込むという無茶をしたが、丹念に問診を受けたあと「頭痛が気になりますね。神経内科を受診してください」と言われる。神経内科というのはなんだかよくわからないが、受付したらすぐに全力で検査開始。採血、CT、髄液採取、粘膜採取、胸部レントゲンなどの検査が朝10時前から16時過ぎまで続き、CTは結局初日に合計3回も受けた。

その結果「画像検査で異常は見つからないが血中の白血球(WBC)と炎症反応(CRP)が高いのでこのまま帰すわけにはいきません」ということでそのまま入院。担当した医師は「こんな数値だと肺炎でも起こしてないと説明つかないんだけどな…」と首をひねりながら、残業してまで診察を続けてくれた。

翌日以降もMRIや造影剤入れてのCTなど検査が続く。治療は輸液と抗生物質の点滴と、解熱剤と氷枕による頭痛の緩和。熱が下がるのと並行して頭痛も軽くなり、WBCとCRPの値も改善していった。

入院・中期(9/11 – 9/14)

発熱と頭痛はほぼおさまり解熱剤は不要になったが、今度は髄液検査の後遺症による頭痛が出てきた。腰椎穿刺で髄液を抜くから髄圧が下がり、その結果上体を起こしていると後頭部がひどく痛む。ググると「2週間ほどで治るよ」などと書いてあるが、これ2週間も続くと仕事にならないのでなんとかしたいところ。医師からは「水分とりましょう。1日2リットル」などと、一周回って普通の健康法みたいな指示を受ける。

食事は普通食を1日3回。味はまあ推して知るべしだが、「食べるのだけは本人しかできない」と親戚(医師)に言われたので頑張って食べる。

さいわい頭痛は3日ほどで収束してくれた。シャワーも解禁になり、大きく人間性を取り戻すことができた。

入院・後期(9/15 – 9/18)

すでに自覚できる症状はほぼなくなり、いささか退屈してくる。9/15に「今日の血液検査しだいで退院日決めましょう」と言われ期待が膨らむが、WBCの値が微妙に増加しており、その場で退院は決まらず。ここで平静を装うのは本当につらかった。

9/17に再度血液検査。ここで退院が決まらないと夏休み期間をはみ出すのが確定するのだが、祈ってもどうにもならないし、自分でなにか頑張れることもない。じれったい時間が続くが、今回はWBC / CRPともに改善しており、無事9/18に退院することができた。

というわけで今は自宅でこれを書いている。退院祝いとして、今夜は焼肉を食べに行く予定だ。

快適入院生活ガイド

入院生活を快適にしてどうすんだ、って話もありますが、ちょっとしたグッズのあるなしでずいぶんQoLがかわります。あってよかったものをいくつか紹介しますね。

フェイシャルシート

こんな感じの「顔を拭いてすっきりするヤツ」です。気軽に顔を拭いてさっぱりできるのは、気分転換にも有効でした。


テーブルタップとUSB電源

体調が回復してくると、スマホの電池は生命線です。充電しながら触れる体制を構築しておくのは必須なので、テーブルタップとUSB電源を持ち込むのが安定でしょう。


耳栓とイヤホン

個室に入る経済的余裕があればいいのですが、いつまで入院するかわからない状況で差額ベッド代を払って「個室で」というのは石油王にしか許されていない気がします。しかし庶民が入る大部屋では、複数の他人がカーテンの向こうにいます。自分のことを思いっきり棚にあげると、ヤツらが出すノイズに悩まされるのは間違いありません。

そこで重要なのが「耳をふさぐ」手段。夜寝るときは耳栓が威力を発揮します。個人的にはここで紹介してるシリコンの耳栓が着用感・防音能力とも優秀なのでおすすめ。

また、昼でもノイズを出す人間も少なからずいます。そういう時には音楽で耳をふさぐためのイヤホンも用意しておきましょう。横向きに寝る人の場合は「寝てても使える」というモデルを選ぶのが重要です。音質なんかどうでもいいので、安くて横向き対応のものを選び、退院のときに捨てましょう。

入院中はパケット通信がかさみがちなので、ストリーミングサービスだけではなく、スマホ本体にも音楽がある程度の分量入っていると安心です。


おいしいふりかけとクレイジーソルト

病院食はおかずが少なめで、いつも最後にごはんが残ります。とはいえ食べないと回復しないので、おいしいふりかけがあると食事がだいぶラクになります。

また、生野菜は貴重なのでぜひおいしく食べたいのですが、たまにでてくるサラダについてくる小袋のドレッシングは、たいていどうしようもない味です。そんなときに活躍するのがクレイジーソルト。自宅から小瓶にわけて持ってくると使い勝手がよいです。

どちらも塩分を追加で摂取することになるので、治療に影響しないかはきちんと医師に確認しましょう。


スマホゲーム

退屈を殺すにはやはりゲームです。入院中に遊んだものをいくつか紹介しますね。

ぼくのなつやすみ

ということで自宅と入院あわせて2週間寝込んでいたわけですが、ちょうどこの時期はRubyKaigi沖縄スクーリングが続いており、両方に参加するために数か月前から計画していた夏休みだったのでした。まさか突然の入院をその期間にまるっと費やし、休みが終わる直前に退院するなんて、我ながら社畜会社員の鑑ですね、わっはっは。

これは半分自嘲で書いてるけど、半分はわりと本心だったりします。仕事ができない自分を許容しがたいタチなので、突発的な穴を開けずに済んでホッとしている一面もあります。そういえば9/15で現職に出戻ってからまる2年。まさか病院の中で3年目を迎えるとは思っていませんでしたが、いまのところ辞める予定はなく、引き続きやっていく気持ちです。そういう意味でも、穴開けずに済んでよかった。

とはいえ飛行機や宿など各種キャンセル料はしっかりと発生しており、医療費と合わるとそれなりの痛手ではあります。夏休みを寝込んで過ごしたことへのお見舞いの気持ち、3年目を迎えるにあたっての叱咤激励のお気持ちなど、例によってこの辺でお待ちしております。

ということで、自分で書いた「健康は命より大事」というお題目を忘れずに唱えつつ、まずは体力を回復させたいところです。水平線のあたりに、仕事のビッグウェーブが見えているのでね…。

追記:で、原因は?

すっかり書き忘れてしまったのですが、いくつかご質問をいただいたので追記。原因も病名も、じつは一切不明です。「どこかで細菌感染による炎症が起きている。しかし映像検査では場所が特定できない。」という状況で抗生物質の点滴を受けた結果、WBCもCRPも順調に下がったので「ああやっぱり細菌感染だった。抗生物質が効くやつでよかった。」ということのようです。

唯一疑わしいのが「CTで見ると大腸に炎症があるかな…?」というもの。これについては後日消化器内科を受診し、内視鏡検査を受けるように言われています。

治ってよかったが原因不明というのはどうにも落ち着かないものですね。腸炎で確定してくれるといいんだけど。

Posted in 日記, 雑文 by Kwappa at 9月 18th, 2016.

One Response to “「健康は命より大事」 – 実践編 –”

  1. […] 今年は健康についての記事を書いたらバズったり怪我したり断酒したり入院したりと、健康についていろいろ考えさせられる1年でした。 […]